丸に割り違い鷹の羽
家紋『丸に割り違い鷹の羽』は、その生物的な特徴やイメージから、古来より『武の象徴』と目されたきた「タカの羽根」を象った家紋種である鷹の羽紋の一種です。
鷹の羽紋とは?
鷹の羽紋は、上級武官の礼冠や近衛府の庁舎の装飾に用いられた他、和弓の矢羽根の材料であったことなどから、『尚武』の精神を重んじる武家から広く支持を集めた紋種です。
古くは九州の名族である肥後の『菊池氏』の使用がよく知られるところですが、これは肥後国・阿蘇郡の阿蘇神社の神紋(違い鷹の羽)を賜ったものであるとされているようです。
著名な使用例のいくつかをご紹介
その他では、広島藩主家を輩出した『浅野氏』や、優秀な江戸幕閣を幾人も輩出した『阿部氏』、片桐且元の『片桐氏』、ほか『久世氏』『井上氏』『高木氏』『西郷氏』などの使用で知られます。
広く名の知られた人物の使用でいえば、「維新三傑」の一人『西郷隆盛』や「忠臣蔵」の『浅野内匠頭』などが挙げられるでしょうか。
江戸時代には、120もの大名・旗本家に使用されるほど普及し、今日でも五大家紋の一角を占めるほどの人気家紋として多くの家系に使用されています。
地域分布は?使用の多い苗字は?
地域別の分布では、阿蘇神社や菊池氏の影響からか、九州南部での使用が目立つほか、関東南部や京阪地区でも比較的よく見られる紋章のようです。
使用家系の苗字には特定の偏りはないようで、数ある家紋の中でも屈指の定番家紋らしく、多様な苗字の家系に使用されているようです。
家紋を『丸』で囲う意味について
『丸に割り違い鷹の羽』のように、元の紋章を丸で囲っただけの家紋は少なくありませんが、これには一体どのような意図があるのでしょうか。
かつて一般的に、子が独立して別家を興す際、その紋所は(血縁を示す意図もあって)「生家の家紋を引き継ぐ」のであって、別種の紋章を据えるケースは稀でした。また、主人からの紋章(の使用権)の贈与も珍しくなかったようです。
その際、実家や主家に対する配慮や遠慮から、紋所の混同を避けるケースも多く見られたようで、そうした時に「元の家紋」に対して『変形』を施すことで「繋がり」と同時に「区別」を表したといいます。
この「丸で囲う」は、そうした「変形」の中でも最も多く行われた手段のようで、家紋の「丸に〇〇」の種は、オリジナル(の家紋)に勝るとも劣らない普及率となっているケースも少なくないとされています。
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