丸に三つ柏

丸に三つ柏

丸に三つ柏紋は柏紋の一種で、ブナ目ブナ科に属するカシワの木の葉の部分をモチーフとして、図案化した植物紋です。

家紋のモチーフとなったこのカシワの葉ですが、このカシワの語源は、炊葉(かしぐは)で、かつては、食料を煮炊きしたり、それを盛ったりした葉であるから、このように呼ばれるようです。

かつてと言っても、それは相当昔の事で、聖徳太子の時代には、すでに立派な食器が利用されていたようですが、神饌(お供え物)を供する神道の儀式では、依然としてカシワの葉を器として用いていたそうです。

現代でも、天皇陛下ご自身で行われる宮中祭祀では、神饌のお供へに用いる、窪手や枚手といった器類は、カシワの葉が利用されています。

神道の祭祀施設(神宮や大社を始めとした神社の事)に参拝の際、儀式の一環として、かしわ手を打つという手順を踏みますが、このかしわ手の「かしわ」もカシワの木に由来しています。

このように、カシワの木は神道の儀式に深い関わりを持っている事から、柏紋を神紋として用いる神社も多かったですし、各々の社の神事を司る神官(神主)の家柄や、その社の氏子などは、家紋として用いるケースもあったようです。

有名なところでは、伊勢神宮の外宮(豊受大神宮)の神職家の一つである久志本家や、熱田神宮の大宮司の家柄の千秋家などが、自家の家紋として用いています。

このような経緯で、柏紋の家紋としての使用が始まりましたが、その後一般的にも、翌年に新芽が出るまで古い葉が落ちない特性から「代が途切れない」意味合いで縁起物とされ、家紋に用いる動きが生まれました。

なお、餅をカシワで包むという、端午の節句に欠かせない柏餅の由来もこの「代が切れない」という縁起を担いでいるそうです。

柏紋全体では、現代においても、十大紋とまでは行きませんが、全国的にかなりのシェアを誇っています。元の由来がしっかりした家紋であるため、江戸時代に庶民階層への普及が進む際に、大きな広がりを見せたを見せたことは想像に難くありません。

柏紋に限らず、「丸に○○」のような、何らかの図形を囲った家紋というのは、本家から分家した際に、本家の持つ家紋に何らかの違いを出すために用いられたケースが多いです。

その何らかの図形のうち、一番用いられたケースが多いのは「丸に」です。そのため、柏紋のうちでも、この丸に三つ柏が最も多いシェアを持つようです。

そういう現状を考えれば、家紋が「丸に三つ柏紋」であるという情報のみで、ルーツを辿るのは難しいのかもしれません。

※「この画像のデータがほしいよ」という方は、下にあるダウンロードリンクから本家紋のベクターデータをフリーでダウンロードしていただけますが、EPS・PDFの意味がよくわからない方は、ページ上部の画像を(これでも900万画素の高画質画像です。)ご自由にダウンロードしてお持ちいただいて構いません。

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