五三桐

五三桐

本項で取り上げる五三桐紋は、普段家紋に馴染みの無い皆さんも一度はどこかで目にした事があるので はないでしょうか。紋付き袴のレンタルに用いられる家紋としてお馴染で、貸衣裳の定番とも言えます。植物 をモチーフにした家紋で、その名の通り桐の木や花を基にしています。

元来、この桐紋は菊の御紋と並んで、天皇家の専用の紋章として使用されてきました。古代中国では桐 の木は、徳の高い天子の出現を知らせる為に現れるとされる、架空の生物・鳳凰が棲むという謂れから、大変 縁起の良い植物とされている事もその要因でしょうか。

現在も使用されている桐紋の中でも五七桐などは、天皇から時の指導者に下賜が行われ、現在も内閣総 理大臣の紋章に使用されるなど、由緒正しい紋章ですが、この五三桐は世間一般に多く普及し、丸に五三桐と 合わせると、桐紋全体の7割にも上る使用率であるとされています。

天皇から指導者へと下賜された五七桐紋は、そのままその指導者が自らの紋章として用いるのが一般的 ですが、配下の者に対する恩賞の意味合いや、より自分の近くに引き寄せるための手段として、簡素化したり 、意匠を変更したものを下賜するケースもままありました。

この五三桐紋もその類から生まれたものとされています。この紋章は、江戸時代に庶民の間で急速に広 がりを見せ、紋付きの衣装の貸し借りが成立(お互いに同じ五三桐の家紋であるため)するケースがとても多か ったと言われています。

現在でもこの五三桐紋を中心に桐紋は、幅広く家紋として普及し、藤・木瓜・片喰・鷹の羽などと共に 、五大紋の一つとして数えられています。

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