左三つ巴
「左三つ巴」紋は、お祭りや神社などで目にする事などから、比較的露出の高い部類の家紋ですが、その意味や由来は案外知られていないもの。そこで今回は、その意味や由来についてを詳しくご解説してみます。家紋を辿ることで家系やルーツの手がかりが得られる事も。
左三つ巴紋は、巴紋の一種で家紋としての用途に限らず、古来より日常の様々な面で用いられてきた伝統的な文様です。図案の由来については、様々な説があり、定説は確定していないようです。
いくつか例に取ると、かつて弓道に用いられた用具の一つである「鞆」("とも"と読みます)を絵に描き起こしたした(鞆の絵で"ともえ"となる)とする説や、古代日本の装飾具である曲玉をモチーフとした説などがあります。
巴紋の種類には、図案に用いる巴の数で、一つ巴、二つ巴、三つ巴などに分かれ、さらにそれが左巻きか、右巻きかによる違いも有りますが、この項で取り上げる左三つ巴紋が、数ある巴紋の中でも多用されているようです。
流れる水が渦を巻いている様に見えるとされる(もの凄いデフォルメーションのセンスですが…)事から、水に関連した図案と結びつけて、火災除けの願掛けの意味合いから、屋根瓦や蔵などにその模様を用いるケースもあったようです。
またその由来は定かではありませんが、神紋としてよく用いられている事をご存じの方も多いと思います。その始まりは八幡神社系とされ、その後に他の神社にも広がりを見せることになりました。和太鼓などに描かれる事例があるのは、この事に由来します。
これらのように、文様としての意味合いも強い、古来よりポピュラーな図案である事から、家紋としても定紋・替紋を問わず、特定のない様々な氏族に用いられてきました。
その中でもやはり、主に源氏系の武士から武神と崇められてきた八幡宮の影響からか、武士階級に使用氏族が多いのですが、神紋との関連からか、寺社関係や、清華家の名門・西園寺家を始めとした公家衆にもその使用が確認されています。
以上が左三つ巴紋の解説でした。その他の家紋の一覧ページは↓こちらから。
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