丸に抱き茗荷
丸に抱き茗荷紋は、茗荷紋の一種で、食用として利用される、ショウガ科ショウガ属の多年草である、ミョウガの花穂をモチーフとして図案化した植物紋です。
ミョウガと言う呼び方の由来は、かつて日本へ、ショウガと共に伝来した際のそれぞれの呼び名に、香りの強い方を「兄香(せのか)」弱い方を「妹香(めのか)」としたのですが、後に呼びが訛って、ショウガ・ミョウガとなったという説が有力です。
このミョウガという呼びが、知らぬ間に授かっている神仏の加護・恩恵の事を言う「冥加(みょうが)」と同一である事が、縁起物として多くの支持を受けて、家紋としての広がりを見せたとされています。そういえば、ショウガの家紋は聞きませんね。
また、天台宗の本尊である摩多羅神の神紋として用いられた為、比叡山延暦寺を始めとした、天台宗の寺院・仏閣はもちろん、出雲大社や日光東照宮などにも祀られた事も、茗荷紋が急速に広まった所以といわれます。
今では茗荷紋は、五大紋に、蔦紋・茗荷紋・沢瀉紋・橘紋・柏紋を加えた、十大紋の一つに数えられ種類も豊富ですが使用されている家紋のほとんどが、「抱き茗荷」紋か、この項で取り上げている、それを丸で囲っただけの「丸に抱き茗荷」紋であるとされています。
古来より、縁起物の定番家紋として人気を画してきただけに、この家紋から家系やルーツを探るのは厳しいかもしれません。
しかし、定番家紋と言われるだけあってこの家紋を用いている用いている著名人は各界に多数存在するようで、植物学者の牧野富太郎博士、ノーベル賞作家・三島由紀夫、日露戦争時の作戦参謀・秋山真之、黄金期の南海ホークスを率いた名監督・鶴岡一人、ゲゲゲの鬼太郎で有名な水木しげる、芸能界では北野武や鈴木杏樹など数え上げればキリがありません。一本気新聞さま-"茗荷紋"より
これらの人物とはもしかすると、どこかで繋がりがあるかもしれませんね。
以上が丸に抱き茗荷紋の解説でした。その他の家紋の一覧ページは↓こちらから。
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