【有職故実】とは何だろう?その意味を詳細に解説!

有職故実(ゆうそくこじつ)とは、朝廷に関連した、あらゆる分野における古来からの”しきたり”そのもの、またはその研究を指す言葉で、中世以降に根付いた「何事においても先例にのっとることを最重視する」という朝廷の伝統的価値観における根本原理ともいえる概念です。

またのちには、武士の誕生・発展にともなって、朝廷と同様、武士政権を頂点とした武家の”先例に基づいたしきたり”をも、含む概念として定着しました。

有職故実の語のうち[有職]は、当初[有識]と書き、本来は「”知識”を有し見識が高いこと、またはその人」を指す言葉でしたが、やがてその”知識”は[故実]を指すようになり[故実]に通じる事を[有識]とし、そうした者を有識者と呼ぶようになりました。

そして[故実]とは、儀式典礼を始めとした公私にわたる朝廷の営みの”実績”ともいえる[先例]を、いわば”ガイドライン”として持ち出し、朝廷の運営を滞りなく行っていく際の、説得力や根拠を担保する事をいいます。

古来より朝廷において、綿々粛々と執り行われてきた、公的な儀式典礼や皇族・公家の(立場(官職位階)や家系に基づいたそれぞれの)私的な営みに、中世以降に根付く「何事においても先例にのっとることを重要視する」という朝廷における伝統的価値観の芽生えによって、大小さまざまな慣例やしきたりが生まれる事になります。

そして、それらにおける所作はもちろん、小道具や装束に至るまで、詳細に把握されることが重要視されるようになり、それらが様式化されたものを[有職故実]とするようになります。

なお、そうした有職故実を専門的に研究・伝承する者が現れ、それらを「職」とする認識が生まれた事から転じて、当初[有識]であったものを、いつの頃からか[有職]とするようになったようです。

このような経緯から、”識”から”職”へと文字だけが変化したため、単に文字を見るだけでは意味の読み取りが困難になってしまい、そうした事が、現代において[有職故実]が”面倒な用語”として認識されている要因のひとつであると言えそうです。

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