並び矢

並び矢

並び矢紋は矢紋の一種で、弓と呼ばれる発射具につがえて、その弾力を利用して発射される武器の総称である、矢をモチーフにして図案化した家紋です。

矢は中石器時代頃が起源とされ、やがて世界中に分布しました。日本ではすでに縄文時代には、使用されていた事がわかっており、中国の魏志倭人伝には、寸法が7尺を超え、真ん中より下の部分に矢をつがえて使用するといった、和弓の特徴がすでに記されていたように、その歴史は極めて古いものとなります。

そのため、古くから矢にまつわる文化は日本に深く浸透し、古事記にもその名が登場したり、俳句の季語のように、古文や句などでも使われてきたようです。

その際の間接的な比喩として、穢れ・邪気・魔・厄などを、祓い清める事を表現する言葉でもあるように、日本では矢は古来より、神器としても扱われた歴史があり、「破魔矢」や「葦矢」などの神事に関連する行事も生まれています。

現在でも矢を使った神事は多く見られ、そのような経緯もあって、矢紋を神紋として用いた寺社も多いようです。

その他にも、「矢面」「矢返し」「矢倉」などの語や、「矢継ぎ早」「一矢報いる」「白羽の矢が立つ」などの慣用句が現在にも伝えられています。

矢紋は、神紋としての利用が一般的だったようですが、やがて武を重んじる武士階級にも使用が広がっていったとされています。

本項の並び矢紋は、矢全体の図案ではなくて、矢羽の部分のみを図案化した意匠となっています。

矢羽の部分は、鷹、白鳥、鶏、鴨などの鳥類の羽根が利用されたといいますが、特に猛禽類の鷹の羽根などは、高級品として、武家の間では贈答にも利用されました。

矢羽部分の矢紋に用いられたモチーフも、矢羽に鷹の羽を利用したものだそうで、見た目は勿論、尚武的な意味合いとしても、鷹の羽紋に通じるところがあると言えそうです。

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